なぜ美味しくないと思うのか

淡水魚が美味しくないという認識は、翻せば海水魚が美味しいという認識の存在を示唆していますが、たとえ海水魚であっても、食べ方や時期を誤ると本当に美味しくないものです。
 たとえば、メジナという海水魚がいます。この魚は冬には“寒グレ”といって食べると美味しい魚とされますが、夏には臭みが強くて美味しいとは言えません。これは季節によって魚の食べるエサが違うためと私は聞いたことがあります。
 それに美味しいかどうかということは、必ずしも万人に共通のものではないはずです。私自身、一般的に美味しいとされる、いわゆる“脂ののった刺身”はしつこくてあまり好きではありません。
 これらと同様のことが淡水魚にも言えるのではないかと私は思います。
 とはいうものの、淡水魚の生息する河川や湖沼が開発や排水によって汚染されてしまっているために淡水魚を食用にすることが難しい、という状況があることは否定できません。
 しかし、ここで問題にしたいことは河川や湖沼の現状ではありません。そうではなく、身近にある河川や湖沼が美しい水になり、そこに生息する魚たちが食用に適するようになったとき、私たちはそれを食べようとするだろうかということです。