昔の人は食べていた

一般の間では、もはや淡水魚を食べるという習慣は忘れ去られつつあるということができると思います。
 一般的に食料としての淡水魚には悪いイメージが持たれがちです。魚の身に臭みが強いとか、寄生虫が多いとかいったイメージです。しかし、これがすべて事実だとすると、かつて淡水魚を食していた日本人は相当の味覚音痴か、不味いものを仕方なく我慢して食べていたか、あるいは食中毒を恐れないチャレンジャー揃いということになってしまいます。そうした理解は本当に正しいのでしょうか。
 私には必ずしもそれが正しいことであるとは思えません。淡水魚にそうした性質があることが否定できないことであるにしても、昔の日本人はそれを前提として時期や調理法に工夫を凝らして美味しく賞味していたのではないかと思うのです。そして、現在の日本人はかつて先祖たちが培ってきた、淡水魚を食べる上でのそうした知恵や工夫を忘れてしまいつつあるのではないかと私は思います。